研究者プロフィール
住友ゴム×東北大学 次世代シンクロサイエンス共創研究所
間下 亮 MASHITA Ryo 特任准教授

本務:住友ゴム工業株式会社
- 研究テーマ
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- 量子ビームを用いた動的および静的構造
- 研究キーワード
- ゴム, 高分子物理, 準弾性散乱, X線イメージング
- 研究概要
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機能性材料の動的および静的構造と物性研究
私たちが日常的に使用する製品に使われている材料は、多くの場合、複数の添加剤を含む複雑な混合物で構成されています。たとえば、タイヤ用ゴム材料は、ポリマー(骨格材料)、フィラー(補強材)、架橋剤、各種機能性添加剤など、10種類以上の成分から成り立っています。これらの成分は、幅広い空間および時間スケールで階層的な構造を形成し、最終的な物性を生み出しています。このような複雑な材料の物性を制御するためには、空間的な「静的構造」だけでなく、時間的な「動的構造」も含めた多角的な理解が不可欠です。私たちは、X線や中性子を用いた準弾性散乱法により分子レベルでのダイナミクスを観察し、さらにX線CT法を活用して材料の破壊挙動などマクロな現象を可視化することで、ミクロからマクロに至る構造と物性の関係を総合的に解明することを目指しています。また、ゴム材料にとどまらず、さまざまな材料を研究対象とすることで、次世代の高機能・高信頼性材料の創出にも取り組んでいます。これらの研究を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する革新的な材料技術の開発を推進しています。