Tohoku University, International Center for Synchrotron Radiation Innovation Smart (SRIS)

研究者紹介researchers

研究者プロフィール

データ可視化スマートラボ Data visualization Smart lab

阿部 真樹 ABE Masaki 助教
本務:国際放射光イノベーション・スマート研究センター
兼務:多元物質科学研究所
研究テーマ
  • コヒーレントX線回折を用いたイメージング手法の開発と応用
研究キーワード
コヒーレントX線回折イメージング, X線顕微分光イメージング, 位相回復計算
研究概要

新規レンズレスX線顕微イメージング手法の開発と材料観察への応用

 私の研究では、X線の高い透過力と短波長という特性を活かし、材料内部の構造をナノスケールかつ非破壊で観察できる「コヒーレントX線回折イメージング」の手法開発と応用を行っています。従来のX線顕微鏡では、レンズの作製精度が分解能の限界を決めていましたが、本手法ではNanoTerasuなどの放射光施設で利用可能な波の揃った明るいX線を試料に照射して得られる「コヒーレント回折パターン」を解析することで、レンズを使わずに高分解能な像を取得できます。
これまでは、材料内部の元素分布を高分解能で観察する計測手法や、その計測時間を大幅に短縮するための新たな解析アルゴリズムを開発してきました。また、リチウム硫黄電池材料を対象とした応用研究では、材料内部における化学結合や反応生成物の分布を可視化することに成功しています。
 今後もこの技術をさらに発展させ、エネルギー材料開発や機能性材料評価に応用することで、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

従来の60倍高速な計測を実現した解析アルゴリズムの概念図

開発手法で可視化されたリチウム硫黄電池材料の元素・化学結合の分布